野生の会計屋の雑記帳

野生の会計屋です。公認を受けるために研修に励む傍ら、田舎でIFRSと戯れています。

公認会計士実務補習の戦績:J1考査・課題研究総評

私の戦績

J1のカリキュラムを完走した。社会人合格であり、一般的なJ1とは仕事量が違ったはず*1だが、なかなかの戦績だったと自負している。

 

結局、J1における考査(監査G:6回、税務G:1回)は平均74点、課題研究は平均84点となり、追い課金はゼロで終了させた。監査関係の論点が出ると60点近くに落ちるが、会計論点やIFRSになると80点超をとるピーキーな結果だった。

 

総得点はオーバーキル気味だったので、これなら3年→1年の短縮を使ってもよかったとも思ったが、それは喉元過ぎればなんとやらだと思う。実務従事報告書のドラフトを書きながら、J1を振り返ってみる。

 

短縮は現実的か?

実務経験アリの場合、気になるのが短縮の効果だと思う。実務補習を1年もしくは2年に短縮できる。私は2年に短縮する方針とした。

 

結論から言えば、すぐに資格を取りたい理由がないなら2年への短縮がおすすめだ。

 

1年コースのメリデメ

メリット :圧倒的に早い。論文試験→修了考査の期間が短く、実力が落ちない。

デメリット:シンプルにきつい。

 

メリットは言わずもがな、問題はデメリットの程度だ。ざっくり言えば無理ではないが、遊ぶ余裕はないと思う。また考査・課題研究で追試(@15,000円)を使う気になれば十分可能という具合だ。

 

J1の日程感

前後期に分かれる。前期は12月末~3月末、後期は5月頭~7月末となっており、最終月には課題研究の締め日とテストが待っている。eラーニングの講義はすべて取得する必要はないが、MAX200単位分くらいある。1単位1時間の計算なので、単純に6か月で割ると、月30h強のペースで視聴することになる。

 

またJ1のeラーニングは配信日がばらついており、かつ長期連休明けに開講されるケースが多く、休み中に一気見させない鋼の意思を感じる。視聴期限が各期の末になっているので、2月中旬に十数個の講座が開講されるのは悪意すら感じる。

 

また3月、7月は考査もあるから、土日は考査の対策に使いたい。このタイミングで試験範囲のeラーニングを見るのは死亡フラグである。

 

何が言いたいかというと、単純には月平均30h強の視聴でOKだが、実態はムラがあって、前後期とも3か月が20h→60h→10hで平均30hとなるイメージである。課題研究が60hの月に、考査対策が10hの月に上乗せされる。

 

課題研究のイメージ

私は25h位かけた。先述の通りかなりのオーバーキルなので、論旨構築、資料収集で10h、実作業10h、推敲5h位か。論題によって書きやすい、書きづらいはあるし、その人の力の入れようもある。やっつけ仕事で60点を取ればいいなら、5h位でかけるのではないか。

 

考査のイメージ

私の点数基準だと丸二日(10h強*2日)だった。考査日ごとにこれなので、この丸二日が2セットくる。暗記箇所を絞れば不安が増す。課金の可能性が出ていいなら半分くらいが適切だと思う。(私は27万円の自腹を切ったので、これ以上の課金は絶対に避けたかった。)

 

テストの内容は暗記ゲーだ。それもムラがひどい。暗記なしでは解答不可になる科目があれば、ノー勉余裕の科目があったりする(これは先方も承知のようで、科目の組み合わせにはポートフォリオへの配慮を感じる)。また講師が講義内で重要ポイントを明示する/しないでも変わってくる。

 

考査範囲は3つのeラーニングで構成される。講座単位で指定されるから、③まである講義が指定される場合、範囲となる講座の視聴時間はMAX27hになる。大体20h分は見ておいたほうがいい。一講義当たりA4テキストが60pくらいある。③まであれば180pになる。

 

授業に抑揚がないわりに、ページ数の多い講義になると、何らかの要件を記載した箇条書き箇所をたくさん丸暗記することになる。しんどい。

 

結局のところ1年短縮はどのくらいつらいか

上記はJ1のみ、かつ全講義履修かつ考査・課題研究を余裕をもって終わる上限だと思う。ここからいくらか割り引いたり、繰り延べたり(後手に回ったり)することを考えて、各月の時間配分は20h→70h→40hくらいだと思う。

 

1年に短縮する場合、カリキュラムの残り3割を重ねるから、1.4倍して28h→98h→56hになる。98hの月は一日あたりで3時間勉強することになる。現実的には土日を生贄に捧げることになろう。

 

あとは何を捨てるかだ。多少講義を捨てて卒業要件は満たせる。考査に落ちても追試がある。なんなら戦略的に捨て考査を作ることで9月に負担を繰り延べることができる。

 

このような感じなので、結論、補習所の1年への短縮は「無理ではないが、遊ぶ余裕はない」というのが私の結論である。

 

2年間への短縮について

この場合、J1カリキュラムはそのまま、J2とJ3のカリキュラムを同時に行うイメージになる。7割+3割の配分である。この3割のほうに修了考査対策が乗ってくるから、程よく平準化されているように思う。

 

そのため1年への短縮におけるデメリットをなくして、ある程度早く資格が取れるという点で、2年への短縮が合理的だと思っている。

 

以上

 

 

 

 

 

*1:実務補習3年間のカリキュラムは7割がJ1、2割がJ2、J3では1割の配分である。J1の重みづけが多いのは、多くのJ1が暇だからと思われる。大学4回生の人も多いし、仮に既卒監査法人に就職しても、エグい業務は持たない。新社会人的には大変だろうが、それは社会人慣れの要素が多いと思われる。